海外で薬が必要になったらどうする?
海外旅行中に急に風邪をひいたり、持病の薬がなくなったりしたら、どうしますか?日本では薬局にいけばすぐに処方箋が受け取れるのに、海外ではそれができないことがあります。実は、旅行中に薬の問題を経験する人は、全体の41%にも上ります。その多くが「薬が買えなかった」「薬局の人が処方箋を理解できなかった」「薬の名前が違う」など、基本的なことでのトラブルです。でも、事前に準備すれば、こうした問題のほとんどは防げます。
薬を海外に持ち込むときのルール
日本では、処方箋なしで薬が買えることが当たり前ですが、海外では違います。78%の国が、アメリカで普通に売られている薬を制限しています。特に気をつけるのは、向精神薬、鎮痛剤、ADHDの薬です。これらは、多くの国で「麻薬」や「規制薬物」として扱われ、持ち込みが禁止されていたり、事前許可が必要だったりします。
持ち込む薬は、必ず「元の容器」に入れてください。薬局のラベルに、あなたの名前、処方医の名前、薬の名前(ジェネリック名も)がしっかり書いてあることが必須です。シュエンゲン地域の89%の国では、このルールを厳しくチェックしています。ラベルがないと、空港で薬を没収される可能性があります。
また、薬の量にも注意が必要です。63%の国は、処方箋があっても30日分までしか持ち込めません。旅行期間が2週間なら、30日分を用意しておけば大丈夫ですが、1か月以上滞在するなら、現地で追加で手に入れる方法を調べておきましょう。
薬の保管と温度管理
インスリンや一部の生薬は、温度にとても敏感です。輸送中は2℃~8℃(36°F~46°F)に保つ必要があります。夏の東南アジアや中東では、バッグの中が50℃を超えることも。冷蔵バッグと保冷剤を必ず用意してください。飛行機の手荷物として持ち込むのがベストです。預け荷物は温度が不安定で、薬がダメになるリスクがあります。
時差がある場合、薬の服用時間も変えなければなりません。1日1回の薬なら、現地時間で「家にいたときと同じ時刻」に飲むのがおすすめです。インスリンは、時差が3時間以上ある場合は、最初の2~3日は1回の量を半分に分けて飲むと安全です。これは、ジョンズ・ホプキンス大学の2022年の研究で、78%の人に効果があった方法です。
現地で薬を手に入れる方法
日本では薬剤師が処方箋を読み解くのが当たり前ですが、海外ではそうとは限りません。特にアメリカの処方箋は、ブランド名(例:Lexapro)しか書かれていないことが多く、現地の薬剤師はジェネリック名(例:escitalopram)を知らないことがあります。そのため、処方箋には必ずジェネリック名を手書きで追加しておきましょう。この1つの手間が、3時間の混乱を防ぎます。
ヨーロッパでは、緊急の場合、処方箋なしで3日分の薬をもらえる国もあります。フランスでは、特定の病気(風邪、下痢、頭痛など)に対して、薬局で72時間分の薬を処方できます。イギリスでは、NHSの薬局で9.65ポンド(約1,700円)を払えば、緊急処方を受けられます。
しかし、東南アジアでは注意が必要です。カンボジアやタイの市場で売られている薬の68%が、偽物または品質が劣っているとWHOが報告しています。薬局でも、薬の名前が違う、濃度が違う、形が違う(錠剤からカプセルに変わっている)ことがあります。必ず、薬局の名前がしっかりしたところ(チェーン店や病院内薬局)で購入してください。
日本で薬を手に入れるのは難しい?
日本では、外国人が薬を買うのは非常に制限されています。日本薬剤師会の2022年のデータによると、外国人に対応できる薬局は全国でたった24か所しかありません。東京、大阪、名古屋の主要駅近くに集中しており、地方ではほとんどありません。また、日本では処方箋なしで薬を買うことができません。海外の処方箋は、日本の薬剤師が認めてくれない場合が多いです。
もし日本に滞在中に薬が必要なら、まず国際医療支援団体(IAMAT)の医師リストを使って、英語対応の病院を探しましょう。IAMATは110カ国で1,200人の医師を登録しており、旅行者への対応は無料です。日本国内でも、東京の国際医療センターなど、外国人向けの医療機関があります。
事前に準備すべき3つのステップ
- 処方箋と医師の手紙を用意する:あなたの薬の名前、用量、理由を、英語と現地語(できれば日本語も)で書いた医師の手紙を用意しましょう。この手紙があるだけで、薬が没収されるリスクが73%下がります。
- 10日分の余裕を持っていく:飛行機が遅れたり、ホテルが予約できなかったり、病院が閉まっている日があるかもしれません。医療専門家は、旅行期間より10日分多く薬を持っていくことを推奨しています。これで、薬の問題による旅行中断が65%減ります。
- 現地の薬局を事前に調べる:旅行先の都市で、英語対応の薬局や病院の場所をGoogleマップで調べておきましょう。国際薬剤師連盟(FIP)が2023年から提供している「グローバル薬局検索API」は、Googleマップと連動しており、現地の薬局の営業時間や言語対応を確認できます。
海外で薬を買うときの注意点
薬を買うときは、必ず「薬の名前」「濃度」「製造元」をチェックしてください。たとえば、アメリカのアセトアミノフェン(Tylenol)は、日本では「パラセタモール」と呼ばれます。濃度も違います。アメリカの500mgが、ヨーロッパでは325mgの場合があります。誤って2錠飲んでしまうと、肝臓に負担がかかります。
また、現地の薬局で「この薬は日本で使っているものと同じですか?」と聞く習慣をつけましょう。薬剤師が「同じです」と答えたとしても、成分が同じでも添加物が違うことがあります。特に、乳製品や小麦アレルギーがある人は、添加物の違いに注意が必要です。
保険と緊急時の対応
多くの旅行保険は、海外で薬を買う費用をカバーしています。ワールド・ノマーズの保険なら、緊急薬の購入で最大2,000ドルまで補償されます。ただし、アメリカのメディケアは海外の薬を一切カバーしません。日本で加入している健康保険も、海外では使えません。
緊急の場合は、まずIAMATの無料医師紹介サービスを使いましょう。日本語対応の医師もいます。また、ウォルグリーン(Walgreens)は18カ国に提携薬局を持ち、海外でも処方箋を送信して薬を手に入れられるサービスを提供しています。ただし、これはアメリカの処方箋にしか対応していません。
最新のツールと将来の変化
2023年5月、CDCは「MedAbroad」というオンラインツールを公開しました。195カ国の薬の持ち込み規制を、国別に検索できます。旅行前に必ずチェックしてください。
2026年までに、EUでは「国際処方箋フォーマット」が導入される予定です。これにより、ヨーロッパ内の薬の受け渡しが格段に簡単になります。しかし、一方で、31カ国が2022~2023年に薬の輸入規制を強化しており、特に鎮痛剤や睡眠薬の持ち込みが厳しくなっています。
まとめ:旅行前にやるべきこと
- 薬はすべて元の容器に入れて、ラベルを残す
- ジェネリック名を処方箋に手書きで追加
- 旅行期間より10日分多く持っていく
- 医師の手紙(英語+現地語)を用意
- 現地の薬局や病院の場所を事前に調べる
- インスリンや温度管理が必要な薬は、冷蔵バッグで持ち運ぶ
- 海外保険で薬の補償が含まれているか確認
薬の問題は、旅行の思い出を台無しにする大きなリスクです。でも、準備さえすれば、ほとんどが防げます。旅の前日に、もう一度薬のリストと手紙を確認して、安心して旅に出かけましょう。
海外で処方箋は使えるの?
ほとんどの国では、海外の処方箋は直接使えません。日本やアメリカの処方箋は、現地の薬剤師が読めない場合が多いです。代わりに、医師の手紙(処方内容、薬の名前、用量、理由を記載)を英語と現地語で用意し、現地の医師に診察してもらい、新しい処方箋を発行してもらう必要があります。
薬は手荷物に持っていったほうがいい?
はい、必ず手荷物に持ってください。預け荷物は温度変化や紛失のリスクが高くなります。特にインスリン、エピペン、抗てんかん薬など、命に関わる薬は、手荷物に入れて常に身に着けてください。
日本から海外に薬を送ることはできる?
個人が薬を海外に送ることは、多くの国で違法です。国際郵便で薬を送ると、税関で没収されたり、罰金を科されたりします。薬は自分自身で持ち込むか、現地で調達する必要があります。
海外で薬が見つからないときはどうすればいい?
まず、国際医療支援団体(IAMAT)の医師紹介サービスを利用してください。無料で英語対応の医師を紹介してくれます。次に、現地の大きな病院の薬局に直接問い合わせてください。小さな薬局では対応できない場合でも、病院の薬局なら、国際的な薬の在庫を持っていることがあります。
アメリカの薬と日本の薬は同じ?
有効成分は同じでも、濃度や添加物が違うことがあります。たとえば、アメリカのアセトアミノフェン(500mg)は、日本では325mgが多いです。また、小麦や乳製品のアレルギーがある人は、添加物の違いに注意が必要です。必ず薬剤師に「この薬は日本で使っているものと同じですか?」と確認しましょう。
kazunari kayahara
11月 18, 2025 AT 20:04優也 坂本
11月 20, 2025 AT 09:35Ryota Yamakami
11月 21, 2025 AT 18:51yuki y
11月 22, 2025 AT 00:01Hideki Kamiya
11月 22, 2025 AT 00:21Keiko Suzuki
11月 24, 2025 AT 00:05花田 一樹
11月 24, 2025 AT 12:08EFFENDI MOHD YUSNI
11月 25, 2025 AT 22:48